美容
皆さま、こんにちは!日中美容研究家の濱田文恵です。マスク生活が定番化した昨今、わたしが特に力を入れているのが美髪を保つためのヘアケア。マスクで表情が隠れてしまう分、表に出る髪をツヤツヤな美髪に保つことは、女性としての魅力をアップさせるだけでなく、他人に清潔感を与えることができるからです。今回の東洋美容のヒントでは、毛髪診断士でもある私が、ツヤツヤ美髪を保つ基本のヘアケアを伝授したいと思います。
1.美髪を保つための基本のキ
1-1ツヤツヤな美髪ってどんな状態?
私たちの髪は、外的刺激から毛髪の内部を守るため、キューティクルという硬い鱗のようなもので覆われています。ツヤツヤな美髪というのは、このキューティクルが傷ついておらず、太陽から出てきた光が毛髪のキューティクルに反射して私たちの目に入るため、髪がツヤツヤして見えているのです。またキューティクルが傷ついてないために、毛髪が絡み合うことなく、指通りの良いサラサラな状態を保つことができます。
1-2キューティクルが傷つくと?
毛髪の外側を覆っているキューティクルが傷つくと、鱗状に重なっていたキューティクルが剥がれてしまいます。キューティクルが剥がれると髪の断面は凸凹になり、同じように凸凹になっている髪と擦れるので、髪はパサついた状態になってしまいます。さらに毛髪の内部を守るキューティクルが剥がれているので、髪の内部に含まれる水分も蒸発してしまい、毛髪自体が乾燥してしまい、より髪が痛みやすくなってしまう悪循環に陥ってしまいます。
1-3 髪を傷つける悪習慣
「毎日トリートメントをしているし、美容院にも行っている。」と、髪を傷つけている自覚のない方もいるでしょう。実は、意外と日々の生活で、知らずのうちに髪を痛めてしまう行動をとっている方は多いのです。この機会に見つめ直してみましょう。
・シャンプーで髪の毛を洗っている
・コンディショナーを常用している
・髪が半乾き状態でドライヤーを辞める
・食生活により血行状態が良くない
・紫外線対策は顔のみ行っている
「それってダメなの?」と思うこともあるのではないでしょうか?なぜダメなのか、その理由と美髪を保つための基本のヘアケアをお伝えしますね。
2.美髪を保つための基本のヘアケア
2-1 正しい方法でシャンプーをする
シャンプーは頭皮についた汚れを洗うものです。それにも関わらず、洗浄力の強いシャンプーで髪の毛をゴシゴシと擦り合わせていませんか?それでは、髪と髪が擦れ、毛の表面にあるキューティクルが傷ついてしまいます。シャンプーをする際は、頭皮を洗うのがポイント。シャンプー前にブラッシングをしたら、手のひらにシャンプーを取り、適度に泡立てましょう。シャンプーが泡立ったら、髪の毛先から頭部に向かってシャンプーを塗り広げていくようにしましょう。また最低でも5分以上は洗い流すようにしましょう。
2-2トリートメントを使う
シャンプー後はコンディショナーを使う方もいると思いますが、実はよく目にするコンディショナーは、髪に栄養を与えるのではなく、髪表面をコーティングしてキューティクルを整えるためのもの。髪に栄養を与え、美髪を保ちたいなら、トリートメントを使うようにしましょう。トリートメントは髪の毛に栄養を補う働きがあるので、シャンプー後、髪の水分を絞り、髪の内部に浸透させるようなイメージで、手でギュッギュとしながら塗るようにしましょう。
2-3正しくドライヤーをする
半乾きの髪は、キューティクルが柔らかい状態になっているので、摩擦や外的刺激から傷つきやすい状態になっています。お風呂から上がったらタオルで水気をふきとり、早めにドライヤーをしましょう。キューティクルが柔らかくなっているので、ドライヤー前に髪の保湿用オイルをつけると、より美髪への効果が期待できますよ。ドライヤーを当てる際は、下から上にドライヤーを当てる方がいますが、これもキューティクルを傷つけてしまうので、基本的にドライヤーは上から下に風がいくように当てましょう。
2-4髪にも紫外線対策を行う
頭皮も顔の皮膚と繋がっている一枚の皮フ。顔の皮フが日焼けするように、頭皮も日焼けをします。紫外線によるダメージは肌だけでなく、毛髪自体を構成するケラチンを傷つけ、キューティクルを剥がれやすくします。出かける前に、UV効果のある洗い流さないトリートメントやヘアスタイリング剤をつけるようにしましょう。髪に何かをつけるのが苦手という方は、紫外線カットのできる日傘やハットを活用して、顔の紫外線対策と合わせて行うといいですよ。
3. 【中医美容発】美髪を保つための養生法
中医学の世界では、「髪は血の余り」とされ、健康的な髪の毛は血液が運ぶ栄養によって作られると考えられています。食生活が乱れ、体内の血が不足し「血虚」の状態となれば、髪自体に栄養素が運ばれず、美髪から遠のいてしまいます。また、腎の状態を反映する場所とも考えられているので、腎が不調となってしまえば、抜け毛や切れ毛、そのほか白髪などの毛髪トラブルも発生してきます。そのため美髪を保つ為には、「血虚」を防ぎ、腎の養生を行うことが大切です。
3-1 血虚を防ぐためにできること
血が足りなくなる要因には、慢性疾患や長患いによる病的なものの他に、目の酷使、心労過多、消化不良などが挙げられます。そこで、まずは食べたものから血の材料となる栄養を吸収できるように消化吸収の働きをする脾胃に負担をかけないようにしましょう。冷たいものや脂っこいもの、過食などを控え、1日3食を決まった時間に食事を摂ったり、温かいものを常飲したりしましょう。また近ごろは、スマホやパソコン、ネットテレビなどで目を酷使する場面が多いので、目を休める時間も作るようにしましょう。
3-2 「血虚」対策に+αで血巡りのマッサージ
血が足りていても、巡りが悪くなれば、美髪に影響が出てしまいます。そこで、頭頂部の血行促進やコリほぐしに最も効果的なのが頭皮マッサージ。頭には多くのツボがあり、ツボを意識するように頭皮をマッサージしましょう。特におすすめなのが、鍼灸の現場でもよく登場する「百会」のツボです。左右の耳の穴を結んだ線と、額の真ん中から頭頂部にかけて伸びる線が交差した場所で、「百会」のツボをスタート地に、頭全体をくるくるとマッサージしてみましょう。もし、頭皮マッサージをする時間がない方は手持ちのブラシで自分の年齢の数だけ頭皮からきちんとブラッシングするだけでも効果的ですよ。
3-3 美髪を保つための腎養生
腎は寒さに弱いため、冬に養生するのがポイント。よく"早寝早起き"という言葉がありますが、腎を養生するためには"早寝遅起き"が良いとされています。腎は生命の根本とされるので、たくさん休むことで腎の元気につながるというわけです。また、身体を暖める力の強いごぼうやレンコンなどの根菜類や、ラム肉なんかも積極的に摂るといいですよ。そのほか、とにかく冷やさないようにすることも大切。寝るときは湯たんぽを活用したり、家の中にいても肩や背中が冷えないように防寒したりしましょう。
いかがでしたか?美髪を保つために、ヘアケア製品をこだわっている方も多いと思いますが、ヘアケア製品にこだわる前にまずは毛髪の基本を知り、外側からも内側からも正しい方法でヘアケアをできるようになりましょう。
■著者プロフィール
日中美容研究家 濱田文恵
自身のニキビ肌をセルフ美容で克服した経緯を経て"キレイ" は自分でも作れることを啓蒙するため一般社団法人日本セルフ美容協会®を設立。毎日のセルフ美容に自身のルーツである東洋と西洋を組み合わせた独自の美養法を提唱する。著書『運命をこっそり変える』セブン&アイ出版。
国際中医薬膳師 / 医薬品登録販売者 /日本エステティック協会認定エステシャン / 日本毛髪科学協会認定毛髪診断士