柔道整復師について知る
高齢化が進む日本では、健康的な生活を長く続けるための体調管理や体力維持、痛みの緩和などのサポートを必要とする人が増えることが予想されます。そのため、今後、リハビリテーションを行える人材のニーズも増加が見込まれます。しかし、ひと口にリハビリテーションといっても、その方法、種類はさまざまです。そこで、リハビリテーションの現場で活躍できる資格や種類について紹介します。また、医療や介護だけではなく、スポーツの現場でリハビリテーションを仕事とするにはどういった資格が有効かについてもお伝えします。
リハビリテーションの現場で活躍できる資格の種類や職種には、どういったものがあるのでしょう。ここでは、国家資格と民間資格に分けて、それぞれの代表的なものを紹介します。
病気やケガが原因で障害を持った人が病院や施設でリハビリをする際に、治療・援助・指導を行う仕事です。作業とは、「食事をする」、「着替えをする」、「入浴する」、「顔を洗う」など人の日常生活にかかわるすべての活動を指します。作業療法士は、これらの作業ができるようにケアや援助、指導を行います。
大学や専門学校など全国にある養成校に3~4年通い、その後、国家試験を受験するのが一般的な取得方法です。
理学療法士は障害のある人、もしくは障害の発生が予測できる人に対し、基本動作(立ち上がる、起き上がる、歩く、寝返るなど)能力の回復や維持、予防を目的とした医学的リハビリテーションを行う仕事です。
理学療法士について詳しくは「理学療法士の仕事とは?理学療法士になるための方法や活躍の場を紹介」をご覧ください。
言語聴覚士は、おもに脳卒中後の失語症、構音障害といった言語障害や聴覚障害、食事時の嚥下(えんげ)障害などに対応した指導や助言、そのほかの援助を行う仕事です。
文部科学大臣が指定する学校あるいは都道府県知事が指定した養成校に通い、その後、国家試験を受験するのが一般的な取得方法です。
言語を用いた治療法が難しい人に対し、音楽によって心身の援助や指導を行う仕事です。具体的には、「歌を歌う」「楽器を演奏する」「音楽に合わせ身体を動かす」など、音楽を軸に援助、指導を行います。
音楽療法士の資格としては、日本音楽療法学会認定の「学会認定音楽療法士」、全国音楽療法士養成協議会認定の「協議会認定音楽療法士」が代表的です。協議会認定音楽療法士を取得するには、協議会認定の大学、短大、専門学校で指定養成科目を修得することによって、卒業と同時に称号が付与されます。
一方、学会認定音楽療法士を取得する方法は2つあります。1つめは認定校に入学し、必要単位を修得した後、音楽療法士(補)試験、つづいて面接試験を受けて合格すれば資格取得となります。2つめは認定校以外の学校を卒業した場合の取得方法です。学会が主催する受験前試験(ピアノ実技および弾き歌い、音楽理論、小論文)に合格した後、音楽療法的臨床経験を示す内容を提出し、必修講習会を受講します。
但し、資格取得のためのこの制度に参加するには、いくつかの条件がありますので、詳細は学会ホームページを参照してください(https://www.jmta.jp/music_therapist/course_short.html)。
介護を要する高齢者の身体の痛み、手足のむくみ、肩こりなどに対し、アロマ精油を用いて関節や筋肉の機能を回復させる仕事です。
代表的な資格は日本介護リハビリセラピスト協会認定の「介護リハビリセラピスト」で、通信講座や1日講座などを受講することで取得できます。
リハビリを行う人の心身機能・活動・参加といった生活機能の維持、改善を目的にサポートを行います。福祉用具や自助具などを用いた環境改善で、本人の自立支援を促進する仕事です。
代表的な資格は、日本介護福祉教育研修機構認定の「リハビリケア専門士」で、通信教育とスクーリング受講を経て、テストを行い、資格を取得します。
リハビリテーションの現場で活躍できる関連資格、職種はほかにもあります。具体的には次のとおりです。
「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3種類の技法を使い、肩こりや腰痛といった生活習慣による症状や、そのほかの疾病の改善を行う仕事です。
詳しくは「あん摩マッサージ指圧師の仕事内容、なり方、柔道整復師や整体師との違いは?」をご覧ください。
骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷といったケガに対し、整復・固定・後療といった、非観血療法で改善をさせる仕事です。
柔道整復師の詳細は、「「柔道整復師」とはどんな国家資格?取得するメリットや学校選びのポイントは?」をご覧ください。
はり師ときゅう師で個別の資格があり、それぞれの専門家として施術を行います。両方の資格を取得した人が鍼灸師を名乗れます。
詳しくは「鍼灸師の仕事内容とその魅力とは?適性や将来性を解説します」をご覧ください。
スポーツトレーナーが目指す資格のひとつで、NSCA-CPTはそのなかでも、トレーニングの知識に加え、医学的、運動生理学的な専門知識とトレーニング指導技術が求められます。そのため、理学療法士や柔道整復師が業務の幅を広げる目的で受験する人も多い資格です。
おもに小児の弱視や斜視の視能矯正、視機能の検査を行う仕事です。一般的な資格取得方法は、視能訓練士養成施設に入学して技能や知識を習得後、国家試験を受験します。
医師の指導のもと、患者の採寸、採型を行ったのち、義肢装具の製作を行う仕事です。資格取得方法は視能訓練士と同様で、養成校を卒業後、国家試験を受験するのが一般的です。
リハビリテーションを仕事とした場合、活躍の場としては、医療や介護施設、学校などがあげられます。しかし、活躍の場はほかにもあります。スポーツの現場で活躍ができるリハビリトレーナーは、リハビリテーションのなかでも人気の高い仕事のひとつです。
リハビリトレーナーのおもな就職先は、病院や福祉・介護施設のほか、フィットネスジム、スポージム、リラクゼーション施設などです。具体的な仕事内容は、トレーニング指導のほか、リハビリプログラムの作成、ケガの予防や治療法の指導、栄養管理、マッサージなど多岐にわたります。
リハビリトレーナー以外でも、スポーツの現場で活躍したい人におすすめの職種としては、アスレティックトレーナーやメディカルトレーナーがあります。どちらもスポーツ選手の能力向上ではなく、おもにケガのケアや、ケガをした選手の競技復帰をサポートする仕事で、リハビリテーションに関する知識も求められます。
ただし、リハビリトレーナーやスポーツトレーナーは、病院や医療施設の器具を使ったり、みずからの手で施術をしたりすることはできません。そのため、柔道整復師や鍼灸師といった国家資格の取得を目指しながら、並行してスポートトレーナーの知識を身に付けるのがおすすめです。柔道整復師や鍼灸師も、医療、介護の現場以外に、スポーツの現場でも活躍が可能な職種です。スポーツの知識に加え、柔道整復師や鍼灸師の資格があれば、より活躍の場が広がるでしょう。
日本健康医療専門学校では、柔道整復師や鍼灸師を目指しながら、スポートトレーナーとしての専門知識を身につけることができます。また、数多く存在するスポートトレーナー関連資格のなかでも、信頼性が高いNSCA-CPTの資格を取得することが可能です。詳細を知りたい方は、まずはオープンキャンパスへお越しください。
日本健康医療専門学校のオープンキャンパスの詳細はコチラからご覧ください
今後、需要が高まると予測できるリハビリテーションの仕事ですが、どういった現場で活躍したいかによって取得すべき資格の種類も変わります。一般的にリハビリテーションといえば、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士の3つの国家資格が挙げられるでしょう。
ただし、スポーツの現場でも活躍したい場合は、柔道整復師や鍼灸師の資格取得がおすすめです。自身の将来像を考えながら、取得する資格を選びましょう。