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花粉の季節到来!春の肌トラブルを防ぐ東洋的美肌術

皆さま、こんにちは!日中美容研究家の濱田文恵です。いよいよ桜も咲き始め、春がやってきます。しかし春の始まりと共にやってくるのが、止まらない鼻水や大きなくしゃみの嵐......。気付けば肌はむず痒く、赤みがでることも。しまいには、体調面まで不安定になる時期でもあります。今回の東洋美容のヒントでは、花粉の季節に合わせ、春の肌トラブルを防ぐ東洋的美肌術をご紹介したいと思います。

   

  1. 大前提、春は肌にとって過酷な季節

   

春と言えばスギ花粉に始まり、黄砂や紫外線の台頭、P M2.5など肌にとってダメージとなる外敵がとにかく多い季節。多くの刺激を受けた肌は、菌やホコリから肌を守るためのバリア機能が低下します。その結果、春の訪れにつれて、今までになかったニキビが増えたり、肌がゴワゴワして乾燥したり、顔全体にかゆみや赤みが現れてしまうのです。

  

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それに加え、春は環境の変化も激しい季節。親しい方との別れや新しい出会いなど、気が張る場面も多く、気付かないうちにストレスを抱え込んでしまうことも......。そういったストレスによって体内では活性酸素が生じ、ゆらぎ肌を招きます。毎年、花粉に悩む方はもちろんのこと、この時期になると肌トラブルに悩まされる方も今すぐ対策を始めましょう。

2.【東洋発】花粉の影響を受けやすい状態とは?

   

花粉で悩む方もいれば、全く大丈夫な方もいますよね。遺伝だから花粉に悩まされるのは仕方ないと思っている方も多いでしょう。確かに花粉症になってしまうと、花粉症を克服するのは至難の技。しかし、花粉症に悩まない方がいるように、花粉の影響を受けやすいかどうかは体質によるもので、実は後天的要素が強いのです。ここでは東洋視点から、花粉の影響を受けやすい状態をご紹介しますね。

2-1 衛気不足でバリア機能低下

 

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東洋では、私たちの体の体表は外的刺激から体を守るために"衛気(えき)"という気のバリアによって守られていると考えられています。この衛気が充分にあり、しっかり働いてくれれば1で紹介したような花粉や黄砂、PM2.5のような大気汚染にも負けず、さらには細菌やウィルスなどにも犯されないわけです。衛気という言葉を初めて聞いた方は聴き慣れない言葉だと思いますが、中医学や漢方でよく耳にする気の種類のうちの一つで、近ごろ注目されているバリア機能や人間が自ら持っている免疫力のようなもの。春先は"陰"であった冬から"陽"である春に季節が変わるときなので、冬の間に厳しい寒さから守っていたこの時期の体は気が不足しがち。

衛気の大元である気が不足すれば衛気自体ももちろん不足します。その結果、肌全体が花粉の影響を受け、痒みや赤みを感じやすくなってしまうのです。

  

2-2 冬の冷えで水滞状態

  

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寒い冬の間に体を温めるといった養生をしなかった場合、冷えによって体内の水分代謝が乱れ、余分な水が排出されずに体内に停滞します。この状態を"水毒"といい、春になると花粉の刺激により、体内に溜まっていた水毒は鼻水となってあらわれます。次第に、春の陽の気に煽られ、熱をもって水のような鼻水から黄色いネバネバとした鼻水になり、最終的には鼻を詰まらせ、鼻周辺の肌は赤く痒みを感じるようになってしまうのです。

3.春の肌トラブルを防ぐ東洋的美肌術

       

春の肌トラブルに負けないために最も重要となるのが、2-1で紹介した衛気(えき)です。衛気には外的ダメージから肌を守ってくれる働きがあるだけでなく、体を温めたり、発汗を促したりする働きもあるのです。つまり衛気を充実させることができれば冬の間に養生することができずに溜めてしまった冷えさえも温め、冷えによってできた水毒も発汗によって追い出すことができるのです。衛気を作り出すための体内ケアと体外からもできる美容ケアを合わせた東洋的美肌術を伝授しますね。

   

3-1 step1脾養生で土台を整える

  

脾は水毒に弱い特徴を持っていて、余分な水が溜まることで、その働きを弱めてしまいます。さらに春の陽気が加われば、余分な水に熱が加わり、"湿熱"となって肌の痒みだけでなく吹き出物も招いてしまいます。花粉に負けない美肌を目指すなら脾養生が必要不可欠です。

  

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具体的には、春になっても冷えには気を付けましょう。春は風が強く、油断すれば風寒の邪気に襲われ、脾の冷えを招きます。中国には「上薄下厚」という言葉があり、この時期は上半身を薄着にしても下半身はしっかり保温をすることが大事だとされています。

  

食生活としては、「省酸増甘」の原則で、酸っぱいものや極度に辛いものは控え、自然に甘味のある食材で脾養生するのがおすすめ。

   

3-2 step2 肺養生で衛気作りをサポート

   

脾は肺によって得た清気(新鮮な空気)と食べたものから得られる水穀の精微(栄養素)によって衛気を作り出します。そのため、脾が元気でも肺が清気を取り込まなければ、衛気は充分に作り出せません。肺の養生には乾燥が防ぎ、できるだけ綺麗な空気を吸うことです。風が強く吹き、花粉や黄砂・PM2.5が舞う春は、肺にとっても過酷な時期。日頃からうがいを徹底し、喉にイガイガを感じたらのど飴を活用し、まだ空気が澄んでいる朝に胸いっぱい深呼吸をするようにしましょう。

   

[脾や肺におすすめの食材]

ネギ、ショウガ、コムギ、とうもろこし、そば等

  

3-3カフェイン・グルタチオン配合の化粧品で体外ケアも

   

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私たちの肌はストレスを感じると体内にあるビタミンCが消費され酸化します。そのビタミンCを還元してくれるのがグルタチオンと呼ばれる成分。そして、カフェインと言えば、体内の余分な水を排出してくれるため、むくみ取りの美容成分として有名ですが、実はグルタチオンの産生にも役に立つのです。花粉の季節は無意識に肌ストレスも溜まるもの。体外から化粧品でケアをするのも大切です。

    

最後に、鼻水や鼻炎に悩み、春の間ずっと真っ赤なトナカイさんになってしまう方におすすめのツボをお伝えしますね。

   

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鼻の周辺にあるツボで、印堂(いんどう)・鼻通(びつう)・迎香(げいこう)を指圧した後、ホットタオルで温めると楽になるので、是非活用してみてくださいね。

   

■著者プロフィール

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日中美容研究家 濱田文恵

   

自身のニキビ肌をセルフ美容で克服した経緯を経て"キレイ" は自分でも作れることを啓蒙するため一般社団法人日本セルフ美容協会®を設立。毎日のセルフ美容に自身のルーツである東洋と西洋を組み合わせた独自の美養法を提唱する。著書『運命をこっそり変える』セブン&アイ出版。

  

国際中医薬膳師 / 医薬品登録販売者 /日本エステティック協会認定エステシャン / 日本毛髪科学協会認定毛髪診断士

  

公式サイト http://hamada-fumie.info/