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エステティシャンになるにはどうすればいい?適性から年収まで解説

ボディケアや脱毛、フェイシャル、リフレクソロジーなどさまざまな施術を行い、人を美しくする仕事であるエステティシャン。人の幸せを支える仕事だとも言えますが、具体的にエステティシャンとして働くということは、施術以外にも、顧客へのカウンセリングや受付、サロン内の清掃などの業務をこなすということです。これからエステティシャンを目指している方にとっては、資格は必要か、将来的に独立も可能なのかなど、気になることは多いでしょう。今回はエステティシャンの仕事内容や適性をはじめ、独立を視野に入れた場合に持っておくと有利な資格などをお伝えします。

エステティシャンの仕事内容とは

では、具体的にエステティシャンの仕事内容を見ていきましょう。

エステティシャンの業務内容

ひと口にエステティシャンといっても、その業務内容は多岐にわたっています。もちろん、働く店舗によってもやるべきことは異なりますが、具体的には次のとおりです。

  • カウンセリング

カウンセリングとは、サロンに来られたお客様に対し、要望を聞き、毛質や肌質のチェック、普段のケア方法などを確認後、最適な施術方法を提案するために行うものです。また、カウンセリング内容をお客様に納得していただいたうえで、予約の受付までも行うのが一般的です。

  • 施術

カウンセリングの内容をもとに設定したプログラムに沿って、さまざまなケアを行います。また、施術当日にもカウンセリングを行い、その日の体調や肌の具合によっては、臨機応変にプログラムを変える必要もあります。

具体的には顔についた老廃物やメイク汚れ、毛穴の汚れなどを取り、血行を改善するフェイシャル。ウエストや腕、足、ヒップなどお客様の要望に合わせ身体のケアを行うボディケア。そして、脇やすねなど身体の一部、もしくは全身の体毛の処理を施す脱毛などがあります。さらにリフレクソロジーの技術を習得しているエステティシャンであれば、足裏にある反射区を刺激することで身体機能の改善を促すリフレクソロジーを行うこともあります。

  • ケア用品の販売

エステサロンでは自店舗で使用している化粧品、ケア用品の販売を行います。これも売り上げの大きな要素のひとつです。この販売もエステティシャンの仕事のひとつで、お客様に合ったものを選び、内容や使用方法を説明して、適切な商品を薦めていきます。

  • サロンワーク

サロンワークとは、エステサロンでお客様に提供するすべての仕事ですが、ここでは上記したもの以外の業務を指します。具体的には、施術室や受付の清掃、消毒、施術のための準備、片付け、点検、タオルやシーツなどリネン類の洗濯、化粧品・ケア用品の在庫確認、発注、売上伝票の整理などが挙げられます。

  • アフターケア

施術が終わったお客様に対し、次回以降の予約の確認と案内、購入いただいた商品の使用感調査、アドバイスなどのアフターケアも忘れてはなりません。継続的に利用してもらえるよう、お客様それぞれに合ったアフターケアもエステティシャンが行う重要な業務のひとつです。

→エステティシャンの仕事内容に関する詳細は以下の記事もご覧ください

【エステティシャンの仕事内容を徹底解説】1日の流れや将来性とは

 

2021年は美容の専門職大学開校も?最新のエステ業界動向

一般的なエステサロンでの仕事内容を見たところで、次は最新のエステ業界動向や市場規模を確認しておきましょう。株式会社矢野経済研究所が2020年4月に発表した「エステティックサロン市場規模推移」によると、2019年度の市場規模は3,602億円(見込み)で、前年(2018年)比100.3%。そして2020年は2019年と同じ3,602億円と予測しています。

エステ業界は2016年以降、伸び率が毎年0.3%と微増を続けています。大きく伸びない理由はさまざまですが、そのなかのひとつとして挙げられるのが人材不足です。さまざまな販促活動を行い集客ができたとしても、施術を行うエステティシャンがいなければ大きく売り上げを伸ばすことができません。そうしたなか、新たな人材確保の施策として期待が持たれているのが美容の専門職大学開校です。

専門職大学とは、2019年度より創設された実践的な職業教育を行うための高等教育機関で、従来の大学と専門学校の長所を取り入れた新たな大学です。リハビリテーション、林業、畜産業、医療、動物看護といった職業のプロフェッショナルを目指す学生に対して教育を行うものです。そして、2021年4月、エステティックやメイク、ネイルといった美容とリラクゼーションの2つを融合した「ビューティーウェルネス学」を専門的に学べる美容の専門職大学、「ビューティ アンド ウェルネス専門職大学(仮称:設置認可申請中)」の開学が計画されています。

専門職大学を卒業すれば大学と同様の「学士(専門職)」の学位が授与されます。これによりエステティシャンの社会的な位置づけも変わり、エステティシャンの仕事がこれまで以上に女性にとって魅力的な職業となり、人材不足解消の起爆剤になるのではと期待が集まっています。

エステティシャンになるために必要なものとは?

エステティシャンになるために必ず取得しなければならない資格はありません。ただし、資格は必要ないものの、エステティシャンになるための養成学校やスクールへ通い、そこでエステティシャンに必要な知識、技術を身に付けるのが一般的です。

具体的に身に付けておくべきものとしては、解剖学、生理学、栄養学、カウンセリングなどの理論。そしてフェイシャル、ボディ、脱毛などの実技です。

さらにエステティシャンになるための講座とは別になりますが、リフレクソロジーやアロマセラピー、タラソテラピーなどの実技と専門知識を学ぶことで活躍の幅は広がると考えられます。

エステティシャンとして持っておくと役に立つ資格

必須ではないものの、実際にプロとして働いていく際に取得しておくと役に立つ資格もあります。以下に紹介する資格は、取得するために実務経験が必要であったり、指定された学校で一定時間の勉強が必要であったりと条件はありますが、将来的な転職、独立を視野に入れているのであれば、取得しておいた方がよいでしょう。

  • AEA認定エステティシャン

日本エステティック業協会(AEA)が認定する資格です。基礎知識と技術を持ち、安全に技術提供ができる者に与えられる「AEA認定エステティシャン」。フェイシャルとボディの総合的な知識と技術、エステティックトリートメントを技術的に熟知した者に与えられる「AEA上級認定エステティシャン」。そして、技術、論理の両面で次の人材育成ができるレベルの者に与えられる「AEA認定インターナショナルエステティシャン」の3つのレベルがあります。

  • AJESTHE認定エステティシャン

日本エステティック協会(AJESTHE)が認定する資格です。フェイシャルとボディに関する手技の知識と技術を持つ者に与えられる「AJESTHE認定エステティシャン」。フェイシャル手技・機器、ボディ手技・機器、メイク・ネイルの知識と技術を持つ者に与えられる「AJESTHE認定上級エステティシャン」。指導者としての能力を持った者に与えられる「AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー」の3つのレベルがあります。

ほかにもエステティックの基礎知識があり、なおかつフェイシャルケア・ボディケアの基礎を有している者に与えられる「AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン・AJESTHE認定ボディエステティシャン」もあります。

  • INFA国際ライセンス

将来的に海外でも働いてみたいと思っているのであれば、海外でも通用する資格取得が欠かせません。INFA国際ライセンスはベルギー王国で設立されたエステティック教育専門国際組織である国際エステティック連盟が認定するものです。欧米での活躍を夢見ているのであれば、ぜひ取得しておきたい資格です。

また、海外での資格はほかに同じベルギー王国で設立されたエステティックの教育機関団体であるCIDESCOが認定する国際資格、CIDESCOディプロマがあります。

 

 

エステティシャンとして働ける場所は?

エステティシャンとして働く場所は基本的にはエステサロンですが、それ以外にも次のような職場があります。

  • 美容室

最近はリラクゼーションを目的としたエステを行っている美容室が増えています。フェイシャルが中心ですが、ほかにヘッドスパやマッサージを行う美容室もあります。

  • ホテル

宿泊施設にスパやエステサロンを併設するホテルも少なくありません。特にリゾート地ではそうした需要も増えています。エステサロンとして本格的なものから、ボディ、フェイシャルだけの簡易的なものまで種類はさまざまです。

  • ブライダルサロン

ブライダルエステを行っているブライダルサロンもエステティシャンにとって働き場所のひとつです。ブライダルエステを専門にフェイスやボディ、脱毛などを行います。

エステティシャンに向いている人とは

それでは、実際にエステティシャンに向いている人について説明します。

  • 美意識が高い

エステティシャンに興味があるという時点で美に対する思いやこだわりが強いことは間違いありませんが、プロとしてやっていくためには、より高い美意識が求められます。自分以外の人を心身共に美しくしたいと思う意識を持ち続けられる人はエステティシャンに向いていると言えるでしょう。

  • 接客業が好き

エステサロンに来られるお客様の第一の目的は美しくなることです。しかし、美に対する思いは人によってそれぞれ異なります。エステティシャンはカウンセリングやコミュニケーションによってその思いを理解し、それぞれのお客様に対し最適な施術を行わなければなりません。

そのためにはもちろん、技術や理論を極めることが重要ですが、それ以上にお客様とのコミュニケーションを円滑に図り、ちょっとした変化も見逃さない注意力が求められます。そういった意味では、エステティシャンは接客業であり、接客が好きでないとエステティシャンは務まりません。

  • 勉強熱心

エステティシャンになるためにはさまざまな技術や理論を習得する必要がありますが、なってしまえばそれで終わりではありません。エステティシャンになるために習得するものはすべて基本であり、実務のなかで習得していかなければならないことの方が膨大にあります。そのため、プロになってからも常に新しい情報を取り入れ、技術と理論をアップデートしていこうという気概がなければ、お客様を満足させるエステティシャンにはなれないでしょう。

  • 体力に自信がある

エステティシャンは接客業であると同時に力仕事でもあります。基本的に立ち仕事であるうえ、施術として長時間マッサージをするには体力が必要です。また、エステティシャンが疲れた顔をしていては、お客様は不安になってしまい、リラックスして施術を受けられません。そのため、常に自身の健康を気遣える人が求められます。

エステティシャンの年収、雇用形態は?

エステティシャンを目指す人にとって、エステティシャンがどれくらいの年収を得られるのかといったことも気になるのではないでしょうか。

転職会議が2020年7月に公表した年齢ごとの平均年収の集計によると、20代前半で279万円、20代後半で318万円、30代で295万円、40代以上で290万円となっています。しかしながら、頑張り次第で給料に反映される職業でもあるので、20代でも300~1,000万円の年収は可能でしょう。

もちろん、就業場所や個人の資質、また固定給か歩合給かによっても収入も大きく異なります。勤務体制や環境、給与形態などを確認しておきましょう。

エステティシャンは独立が可能?独立するのに有利な資格は?

ここまでお伝えしたようにエステティシャンは技術職でもあるため、自分の腕を磨き、技術でお客様を満足させられるようになれば、多くのお客様が付き、独立開業も可能です。

独立開業を目指す場合、多くのライバルが存在することになります。そうしたなかで生き残っていくためには単純に技術を磨くだけではなく、特に次の2点に気をつけて業務にあたるようにしましょう。

  1. お客様とのコミュニケーションを強く意識する

これまでにもエステティシャンは技術職であると同時に接客業であるとお伝えしてきました。そのため、技術が良ければお客様の満足度を上げるのは可能ですが、それ以外の部分でもお客様に満足してもらえるようにしなければ、またこの店に来たいとは思ってもらえません。

そこで、カウンセリングはもちろん、予約の受付、電話対応、アフターフォローなどお客様とのあらゆる接点において、満足度を上げる必要があります。最近、一般的な社会でも商品やサービスの質を上げるだけではなく、企業と顧客とのすべての接点で良質な体験を提供することが大きな注目を集めています。この良質な顧客体験の提供には、お客様とのコミュニケーションを強く意識し、常に最適なサービスを提供することが独立開業のためにも欠かせません。

  1. 独立に有利な資格を取得する

独立開業し、競合のなかで生き残っていくためには、まずは先述したようなエステティシャンとして役に立つ資格を取得したうえで、競合との差別化となる国家資格取得も検討する必要があります。そこで、エステティシャンとしての業務にも役に立ち、独立にも有利な資格としておすすめなのが鍼灸師です。

鍼灸師には「はり師」と「きゅう師」という2つの国家資格が必要です。鍼灸師の資格を取得すれば美容鍼灸師として活躍することもできます。ただし、美容鍼灸とエステの合わせ技で集客を図ろうとする方はすでに多く存在しているため、先述した良質な顧客体験の提供に加え、この資格を活用することが重要なポイントといえます。

女性の美を追求するエステティシャンは夢のある仕事

ここ数年、微増ではありつつも成長を続けるエステティックサロンの市場規模。さらに2021年には日本で初めて美容の専門職大学が開校するといったように、今後もエステティシャンの需要は高まっていくと予測できます。

また、エステティシャンは技術やコミュニケーション能力が高ければ、将来的には独立して自分の店舗を構えられる可能性もあります。美容に興味がある人にはもちろん、ビジネスとして取り組む人にも非常に魅力的な仕事だと言えるでしょう。

しかし競合も多いため、将来独立することを考えているのであれば、鍼灸師の資格がおすすめです。できる施術の範囲が広がるうえ、お客様からの信頼感も高まり、独立後の顧客獲得に大きく貢献します。エステティシャンを目指すのであれば、ぜひ鍼灸師の資格取得を検討されてみてはいかがでしょう。