卒業生インタビュー
「柔道整復師やスポーツトレーナーは、自分にしかできない手技で相手を笑顔にできる職業だ」そう語るのは、2019年にスポーツトレーナー養成コース、2020年に柔道整復学科を卒業し、その後すぐに就職した治療院で、日テレ・東京ヴェルディベレーザのトレーナーに抜擢された経歴をもつ、金久保 友希さん。
この2021年4月より新たに鍼灸学科に入学し、現在は午前中学校、午後は治療院で働きながらと多忙な日々を送る。まだ20代前半という若さながら将来のイメージをしっかりと持つ彼女が、在学中はどんな日々を過ごし、なぜまた鍼灸学科へ進もうと思ったのか。
今回はそんな金久保さんに、高校時代から日本健康医療専門学校(以下、ニッケン)在学中のことや将来の展望までを伺った。
【Q】まず、柔道整復師やスポーツトレーナーの魅力について教えてください。
――誰にもできないようなすごい職業だと思います。自分の手を使って試技をするので、相手に合わせて自分にしかできないことを行える魅力があります。
また、自分の施術で相手の人生に影響を与えるというか。感謝されることが多いので、そんな職業は珍しいと思います。
【Q】高校時代はどんな生活をしていましたか?柔道整復師やスポーツトレーナーに興味をもったきっかけを教えてください。
――もともと体を動かすことが好きで、中学校の時はソフトボール部、高校の時はダンス部に所属していました。スポーツが盛んな学校で、部によっては、整骨院や整形外科の先生がトレーナーとして来校することがあり、その時にスポーツトレーナーという仕事を知りました。その頃から自然とスポーツに携わる仕事がしたいなと思っていて。実際にトレーナーになろうと思ったのは高校3年生の頃ですかね。
【Q】日本健康医療専門学校を知ったきっかけは?選んだ理由を教えてください。
――ニッケンの学校説明会に行ったのがきっかけです。担任や進路指導の先生たちから「あそこは先生がいいよ」と聞いていて。他にもいろんなところを見に行きましたが、先生も生徒も仲が良さそうな雰囲気が伝わってきて、いいな~と思ったんです。実際に入ったら、先生もすごく親身だし、生徒も明るいし。説明会に一緒に行った母も同じ意見で、母が勧めてくれたのも選んだ大きな理由です。
【Q】スポーツトレーナーと柔道整復学科の両方に通っていた時、どんな生活を過ごしていましたか?
――1日にスポーツトレーナーと柔道整復師の授業を受けて、合間にひたすら勉強する日々でした。月曜~金曜は、8:30くらいには学校に行って、授業が始まるまで学科の勉強をしたり、実技の練習をみんなでやったり。そして授業を受けて、お昼をみんなで食べて、午後の授業が終わって、バイトがなければ学校で勉強して帰宅という1日ですね。
土曜日は、午前中だけスポーツトレーナーの授業がありました。ちなみにバイトは週3日程度やっていたので、結構忙しい日々でしたね!
【Q】同級生との実技練習はどのように行っていたのでしょうか?
――授業を行っていない部屋に自分たちでマットを引いて、何人かで集まって実践していました。ペアは大体決まっていたんですが、たまにペアを変えたりして。やっぱりケアすると体は変化するし、人によって違いもあります。その声を聞けるのは、すごい勉強になりましたね。
【Q】学校での楽しかったエピソードや、大変だったことはありましたか。
――勉強がすごい得意というわけではないので、専門的な勉強が多くて、スポーツトレーナーと柔道整復師の両立が大変でしたね。でも、その分学校にいる時間が長かったので、友達と一緒にいる毎日がとても楽しかったです。
あとはテスト期間中に友達の家に泊まって、一緒に勉強をしたり、実技の練習をしたりしたことですね。一人では実技はできないので、相手に自分の手技がどうか聞けるのは大きいし、何より楽しいし。
【Q】実技のテストはどのように行われるんですか?
――実技のテストは、何になるか当日くじで決まります。それぞれマニュアルがあって、その言うべき言葉を暗記して施術するのですが、相手と会話をしながら行うので、当日は緊張して覚えた言葉が飛びそうになります。
その点、友達と前日に実践しているとある程度備えられます。
【Q】国家試験に向けて、いつから本格的に時間をとって勉強をしましたか?またどういう勉強法で対策していましたか。
――本格的には半年前くらいからですね。3年生になってからは「やらないと」と思い、日々少しずつ対策していました。3年目からは午前中のスポーツトレーナーの授業はなくなったので、午前中は学校で勉強し、家に帰っても勉強の毎日。
私はひたすら問題を解いて、わからないところを調べていくというスタイルで行っていました。試験は座学と実技がありますが、難しいと言われるのは座学です。
【Q】専門学校で勉強していくうちに、入学前に思い描いていたスポーツトレーナーや柔道整復師の理想像とは異なる点がありましたか?
――高校の時は、あまり深く考えてはいなくて、勉強すれば簡単になれると思っていました。しかし、知識を得たり、帯同したりしていくうちに変わっていきましたね。
勉強したことがそのまま実践でOKかというとそうではない。いろんな症状の人がいるので、応用していかないと治せないと言う大変さに気づきました。
自分の施術によって患者さんの状態が変わってくるので、いい意味でも悪い意味でも、責任のある仕事だと感じました。
【Q】実際に働いてみるとどうですか?やりがいや大変だったことなど教えてください。
――今、ぷらす鍼灸接骨院で働きながら鍼灸師の勉強を行っていますが、やはり対お客様だと全然違います。
症状がある人に初めて触れるということで、初めから簡単に治せるわけではないんです。「こうかな?」と思っても治らない人の方が多いので、自分で考えたり、先輩に施術して勉強したりと試行錯誤しています。
中には重い症状の人や、なかなかよくならない人もいて。ずっとケアして、勉強をし続けなければならない。大変ですが、そこがやりがいですね!
【Q】治療をするなかで、大切にしていることはありますか?
――患者さんとできるだけ会話をして、どこが原因か引き出すことが大切だなと思っています。症状は、体だけではなく、心から出ている人もいるので。
どのような言葉をかけたらお話ししてくれるのか、私はとことん会話をして患者さんと向き合います。少しでも体が楽になって、笑顔になってくれたらいいなと思います。
【Q】現場で手を動かすとなると、ニッケン在学中に思い描いてたものとは、どんな点が違いますか?
――大きな違いは、症状があって施術を行うという点です。マニュアル通りにはいかないので。勉強していた時、どのようなエピソードがあるかは学んでいましたが、人によって本当に全然違うので、応用、応用の世界ですね。
あとは時間です。60分とか時間が制限されているので、短い時間でしっかり治していけるか、満足していただけるかを考えます。
現場は大変ですがその分、対面で患者さんからは「楽になった」と嬉しい言葉もいただけます。「またあなたに診てもらいたい」と言われたときは、疲れも吹っ飛びますね。それに普段の患者さんとの会話も楽しいです。
【Q】鍼灸師の資格もとりたいと思ったきっかけや理由を教えてください。
――元々鍼灸もやりたいと思っていたんですが、実際に働いてみて、針の治療が必要だなと思った患者さんに対して、自分では針を刺せない場面が結構あって...。いつも鍼灸師の先生にお願いしていました。その時、先生に頼まずに自分でしっかり治療ができればなと思ったのが決め手です。
自分で鍼灸の治療もできたら、手技だけでなくトータルケアが施せるので、ケアの幅が広がります。よりいろいろな患者さんを治療して、笑顔にできたらなと思います。
【Q】今コロナ禍ですが、どんな形で勉強されていますか。
――平日月曜~金曜、午前中は授業を受けて、午後トレーナーの仕事をしています。通学は週4日、1日はオンライン授業です。
【Q】鍼灸師の資格がとれたら、何をやりたいですか?将来の夢を教えてください。
――3年後に資格が取れたら、まずは鍼灸の治療を専門的に行っていきたいです。最初は自分だけではできないと思うので、現場で学んで自分一人でできるようになるのが目標です。
そして、将来的にはやはり手技での施術も鍼灸での施術も含めて、トータルケアができるトレーナーになりたいです。
アーティストに専属でつく、アーティストトレーナーにも興味があります。私は今もこれからもより多くの人を笑顔にしたいと言う気持ちが大きいので、いろいろな経験をして知識と技を習得し、トレーナーの道を歩んでいきたいですね。
【Q】日本健康医療専門学校は、どんなところが魅力だと思いますか。
――とにかく先生がすごく良いです。みんな親切で明るい人が多く、良く面倒を見ていただいています。担任の先生がいるのですが、私の成績や性格も把握してくれていて、親身で相談しやすいですね。最初にニッケンに入ったのも先生や生徒の雰囲気がとても良いなという理由なので。そこは入ってみても変わらない魅力です!
あと、「大学に行っていたらこんなに勉強していなかったのでは?」と母によく言われますね。先生に聞けば勉強のことも、将来のことも何でも相談のってくれますし、私は大学より専門学校で良かったなと思っています。
ニッケンは部活動が盛んで、他の専門学校より強いらしく、部活も資格も取りたくてニッケンに入った友達もいましたよ。あいにく私は当時2学科通ってて忙しかったこともあり、部活はやっていなかったのですが。ちなみに、部活はバレーやバスケ、野球などスポーツ系のみです。
【Q】最後に、これから柔道整復師、スポーツトレーナーを目指したいと考えている学生さんに向けて、メッセージをお願いします。
――柔道整復師、スポーツトレーナーは学術面と技術面の両方を学ぶ必要があります。勉強は難しく専門的なところも多いのですが、そこは先生がしっかりとフォローしてくれます。
難しいことを学んできた分、実際の現場で生かすことができて、その分患者さんに感謝されます。また、自分自身も嬉しい気持ちになれる職業だと思います。忙しいけどやりがいのある仕事です。
そして何より、人を笑顔にできる仕事は多いと思うのですが、直接人を目の前にして笑顔を見ることができる。その嬉しさを実感できる仕事はそうそうないと思います。ぜひ夢に向かって一緒に頑張りましょう!
卒業生プロフィール
金久保 友希さん
1998年生まれ。2017年、日本健康医療専門学校柔道整復学科とスポーツトレーナー養成コースに入学。2019年NSCA-CPTの資格を取得し、スポーツトレーナー養成コース卒業。2020年柔道整復師の資格を取得。卒業後は、株式会社SYNERGY JAPANが運営する「ぷらす鍼灸整骨院」にてトレーナーとして従事。同年秋から、日テレ・東京ヴェルディベレーザのトレーナーとしての活動も開始(現在はコロナにより帯同はしていないが、今後も再びチームの帯同を予定)。そして、2021年4月より鍼灸学科に入学。午前中は学校、午後は仕事と忙しい日々を送りつつ、幅広いケアのできるトレーナを目指す。