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専門学校の入学試験(以降、入試)には、推薦入試、AO入試、一般入試の大きく分けて3つの方法があります。学校によって詳しい内容は異なるものの、試験の実施方式によってある程度の対策が可能です。では、専門学校が実施する入試とは具体的にどのようなものなのでしょうか。今回は、専門学校の入試の種類について解説するとともに、出願時期や試験内容などを紹介します。また、入試対策のポイントもお伝えしましょう。
専門学校の入試方法としてよく見られるのが、推薦入試です。推薦入試とはどんなものなのか、また出願の時期や試験内容、対策について詳しく見てみましょう。
推薦入試には、学校推薦と自己推薦の2つの方法があり、学校推薦は指定校推薦と公募推薦に分かれます。専門学校の入試方法としてもっとも多く、学校推薦は高校の推薦状が必要です。高校が推薦状を出す際には、高校での成績や内申、出席日数などを重視します。試験方法は面接が中心となり、基本的に専願制(その学校を第一志望とし、合格すれば入学することを前提とする)です。
願書受付は毎年10月1日から開始される学校が多く、その後、早ければ11月頃から試験が行われます。指定校推薦については、6~8月頃に募集情報が公開され、出願日までに推薦される生徒が決まる流れです。
書類審査と面接で合否が決まるケースがほとんどです。ただし、学校によっては、作文や小論文試験があります。体育系や音楽系の専門学校では実技試験がある場合もあります。
推薦入試は、一般的に面接での自己PRや志望理由が重視される傾向にあります。また、資格の有無もアピール材料になります。例えば、簿記経理系の学校であれば簿記や工業簿記の資格を取得している、英語系の学校であれば英語検定に合格しているといった実績があれば有利になるでしょう。そのほか、部活動や奉仕活動など高校時代の経験も着目されます。学校によってそれぞれ特色があるため、事前にしっかりと調べておくとよいでしょう。
また、推薦入試は基本的に専願として受け付けている学校がほとんどです。一部、併願(複数の志望校があり、合格後に行く学校を選択できる)制度を適用している専門学校もありますが、基本的には複数校の受験はできないと考えておくとよいでしょう。大学と併願する場合も同様です。併願を希望する場合は、一般入試を選択する方が安心です。専願で推薦入試を希望する場合は特に、校風やカリキュラムが自分に合っているかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
次に、AO入試について詳しく見てみましょう。
AOとはアドミッションズオフィスの略称で、専門学校の教育方針や求める人物像に合致しているかどうかを重視する入試方法です。高校からの推薦状は特に必要ありません。自己推薦に近い入試形式です。
出願は2段階になっていて、毎年6月1日からエントリー受付が開始され、8月以降に本出願を行うのが一般的です。オープンキャンパスや体験入学への参加をエントリー条件とするところが多く、その際にエントリー受付を行っています。場合によっては、エントリー前に面談や面接が行われるところもあり、タイミングは学校によって異なります。希望する学校のスケジュールを事前に把握しておかないと、エントリーができなくなってしまう場合もあるため注意が必要です。
試験は、志望理由を記載したエントリーシートと書類審査、面接が中心です。作文や小論文試験を実施している学校や、体験入学やセミナーに参加してレポートの提出を求める学校もあります。
書類審査や面接が重視されるという点では、推薦入試への対策と似ています。ただし、AO入試は、その学校の特色や教育理念に合わせて求めている学生像を明確にした「アドミッションポリシー」への適性が重視されます。入学後の目標や将来の夢、学校で勉強していくうえで何を重視するかなどの自己PRをしっかりまとめる必要があるでしょう。高校時代の資格取得や体験を、入学後に生かすようなアピールポイントを考えてみましょう。
なお、ほかの試験に比べ出願時期が早く設定されているため、注意が必要です。3年生の2学期前には願書提出することになるかもしれません。できるだけ早い段階で志望校を絞り込んでおくことが大切です。
AO入試についてさらに詳しく知りたい方は、「AO入試と推薦型入試はどう違う?入試対策のポイントも紹介」もご覧ください。
最後に、専門学校の一般入試について紹介します。
推薦入試やAO入試が基本的に専願なのに対し、一般入試は原則併願が可能です。高校から推薦状を出してもらえなかった、AO入試のエントリーに間に合わなかった場合などは、一般入試で合格を目指します。
願書受付は3つのうちもっとも遅く、多くは毎年11月1日頃から受付開始されます。学校によっては3月まで入試を行っている場合もあるため、大学入試後に専門学校の一般入試を受験することも可能です。
書類審査と面接に加え、作文や小論文、学科試験がある学校がほとんどです。推薦入試と同様に、体育系や音楽系の専門学校では実技試験がある場合もあります。
書類選考や面接対策に関しては、推薦入試やAO入試と変わりません。しかし、学科試験への対策が必要です。上述したように、学校によっては学科に加えて実技試験があるため、事前に専門科目の勉強をしておく必要があります。
特に医療看護系のように、最終的に国家試験合格を目指す学校では、学科試験で得点を取れないと合格は難しいでしょう。医療系を目指す場合には、自身の実力を図るために看護医療系模試を受験し学力向上を目指すのがおすすめです。なお、看護医療系の入試で実施される科目は、「英語」「数学」「国語」「理科」の4科目です。実技試験については、個々にスキルを磨かなければいけません。受験科目を把握し、できるだけ早い段階から準備を進めましょう。
専門学校のなかには、特待生入試制度を設けているところもあります。特待生入試とは、入試の学科・実技試験で上位の成績を収めた受験者の入学金や授業料の全額もしくは一部が免除になる仕組みです。入試の内容は学校によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
特待生入試を希望した学生に対し、所定の成績を収めれば特待生として合格となるかたちが一般的です。特待生入試という特別な入試方法があるというよりも、通常の入試から選ばれる制度のひとつと考えておくとよいでしょう。希望の有無によりますが、基本的に誰でも特待生入試を受験できます。
専門学校には大きく3つの入試方法があり、それぞれに対策のポイントが異なります。特にAO入試では、学校の特色やアドミッションポリシーへの深い理解が欠かせません。学校が求める人物像を理解し、自己PR文の作成をはじめ、学校に適性があることをアピールする準備を始めましょう。ただし、人気のある専門学校は、募集期間でも定員になれば締め切られてしまうことがあるため、早めの決断が重要です。
また、入学したことを後悔しないためにも、専門学校が実施しているオープンキャンパスや体験学習には積極的に参加するとよいでしょう。その際、受験対策講座を受講できたり、エントリーできたりすることもあります。近年では、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、Web型のオープンキャンパスを実施している学校も増えています。限られた時間を有効活用するためにも、インターネットの活用も検討してみましょう。
専門学校には学科試験がないところもあり、一般的に大学や短大に比べて、簡単に合格できると考えている人もいるかもしれません。しかし、学校によっては大学と同様に、内申や学科を重視するところもあります。合格を勝ち取るにも、できるだけ早い段階で志望校を決め、入試方法に合わせた対策を始めましょう。
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