スポーツトレーナーについて知る
スポーツトレーナーにはいくつかの種類がありますが、そのなかで、スポーツジムやフィットネスクラブで活躍できるのがフィットネストレーナーです。フィットネストレーナーの仕事内容、フィットネストレーナーとして取得しておくと有利な資格、プロとして仕事をするうえで必要なことについてお伝えします。
まずは、フィットネストレーナーの主な仕事内容について見てみましょう。また、フィットネストレーナーと混同されがちなパーソナルトレーナーとの違いについても解説します。
フィットネストレーナーは、フィットネスクラブやスポーツジムで働くスポーツトレーナーで、主に一般の人に対してトレーニングの指導をします。
指導は基本的にマンツーマンで行います。顧客へのカウンセリング後に、それぞれに最適なプログラムを作成するのが仕事です。具体的には、フィットネスクラブやスポーツジムに設置されているマシンを使ったトレーニングやストレッチ方法を提案、指導します。特定のスポーツに特化して技術指導をするインストラクターとは異なり、さまざまなトレーニング方法を取り入れながら指導するのがフィットネストレーナーといえるでしょう。
インストラクターについて詳しくは、「インストラクターとは? 種類や資格、トレーナーとの違いを解説」をご覧ください。
また指導だけでなく、場合によってはフィットネスクラブやスポーツジムの受付業務や清掃、トレーニング機器の点検などの業務も行います。
パーソナルトレーナーも、フィットネスクラブやスポーツジムでマンツーマンによる指導を行うことがあるため、フィットネストレーナーとよく似ています。フィットネストレーナーとパーソナルトレーナーが同じ意味で扱われることもあるでしょう。例えば、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のトレーナー規格には、PFT(パーソナルフィットネストレーナー)認定プログラムがあり、この場合、明確な区別はありません。
ただし多くの場合、フィットネストレーナーの主な活躍の場所はフィットネスクラブやスポーツジムで、一般の人に対してトレーニングやストレッチ方法などを指導します。一方で、パーソナルトレーナーは、より対象と近い距離で対応し、食事や睡眠といった生活面でのアプローチにも対応します。また、一般の人だけでなく、プロのアスリートに対して指導をするケースが多いのも特徴です。
パーソナルトレーナーについては詳しくは、「パーソナルトレーナーになりたい!スポーツトレーナーとの違いや将来性を解説」をご覧ください。
フィットネストレーナーになるために必ず取得しなければならない資格はありません。しかしフィットネスクラブやスポーツジムに就職して指導を行うには、次のような資格を取得していると有利です。
JSPO(日本スポーツ協会)が認定するフィットネス資格です。「フィットネストレーナー(2021年11月現在、新規養成は行っていません)」のほか、子どもたちへのスポーツ指導を行う「ジュニアスポーツ指導員」や、地域のスポーツクラブなどでフィットネス向上のサポートをする「スポーツプログラマー」の3つの認定資格が設けられています。それぞれ共通科目と専門科目のカリキュラムを受講し、検定試験に合格することで資格取得が可能です。
NESTAのトレーナー規格、「PFT(パーソナルフィットネストレーナー)認定」です。アメリカ発の認定資格ですが、日本でも資格取得は可能で、受験方法には3つのコースが用意されています。直接受験する「ダイレクトコース」、養成講座を受講後に受験する「ゼミコース」、通信教育での講座受講後に受験する「WEBコース」から選べます。
健康・体力づくり事業財団による認定資格で、健康運動指導士と健康運動実践指導者のふたつの資格があります。公式サイトによると、健康運動指導士は、「個々人の心身状態に応じた、安全・効果的な運動を実践するための運動プログラムの作成及び指導を行う者」、健康運動実践指導者は、「積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者」とされています。健康運動実践指導者は、医学的基礎知識や運動生理学などの知識・技能などを持ち、自ら実践指導を行えるとして認定される資格です。どちらの資格も講習会を受講したあと、認定試験に合格すれば資格を取得できます。
NSCAが認定する「NSCA-CPT」は、主に一般の人を対象に、トレーニング方法やコンディショニング全般の指導を行う専門的能力を認定する資格です。トレーニングの知識に加え、医学的、運動生理学的な知識も求められます。認定試験を受験するには、NSCAジャパンの会員になったうえで、一定の要件を満たす必要があります。
フィットネストレーナーになるには、さまざまなスキルが求められます。資格取得によって指導の知識を得るだけでなく、対象を知り、向上心を持って取り組む気持ちが大切です。具体的には以下のようなスキルの取得を目指してみましょう。
トレーニング技術や医学的な知識を習得していても、実際に指導する相手の特徴や性格を把握しなければ、適切なプログラム作成はできません。フィットネスクラブやスポーツジム入会時に面談を行い、今後の方針を決める際には、指導相手の状況を的確に把握できる観察力が求められます。
通常、フィットネストレーナーはマンツーマンで指導を行います。せっかくの個別トレーニングも、上手にコミュニケーションをとれなければ、成果が出にくくなってしまいます。トレーニングの効果が上がらず、途中退会してしまうこともあるかもしれません。指導だけでなく、気軽に雑談する時間をつくり、信頼関係を築くことがとても大切です。ただし、必要以上に会話をしたくないという人もいます。相手の状況を把握し、個々に合わせて適切に対応できる能力が本当の意味でのコミュニケーション能力といえます。モチベーションを保ちながらトレーニングを続けてもらうためには、高いコミュニケーション能力が求められるのです。
トレーナーを続けていると、「顧客がけがをした際にはリハビリメニュー作成にもかかわりたい」「プロのアスリートを指導したい」などと考えることもあるでしょう。しかし、フィットネストレーナーの資格だけでは治療にかかわることはできません。そうしたときに、治療にかかわれる資格を持っていたら、周囲からの信頼感も高まります。例えば、治療に対応できる柔道整復師や鍼灸師の資格などがあると、活動の幅も広がります。フィットネストレーナーを突き詰めたうえで、さらに活躍の場を広げたいと思う気持ちがあれば、新たなチャレンジに取り組んでみましょう。
これからフィットネストレーナーを目指したい場合には、トレーニングやストレッチ技術、医学や運動生理学などの知識の修得は欠かせません。資格を取得しなくても活動できますが、独学では不十分な点もあるでしょう。専門的な資格があれば信頼度が高まり、安定した仕事につながります。
ただし、高校を卒業してすぐに、ひとりで勉強しながら資格取得をするのは簡単ではありません。そこでおすすめしたいが養成校への進学です。フィットネストレーナーになりたいなら、トレーナーになるための技術や知識を集中して習得できる専門学校がおすすめです。
日本健康医療専門学校は、フィットネス(パーソナル)トレーナーやスポーツトレーナー、柔道整復師、鍼灸師を目指せる医療系専門学校です。
将来、フィットネストレーナーやパーソナルトレーナーとして活躍するための実践的な内容を学べます。
詳細は以下をご覧ください。