女性で鍼灸師を目指したいと思う人もいることでしょう。鍼灸師は男性が多い業界というイメージが強いかもしれませんが、施術を受けに来る利用者は性別を問わず、女性にも多く利用されています。そのため、女性鍼灸師ならではの立場を生かしたメリットも多く、活躍の場が広がっています。今回は、女性が鍼灸師になるメリットを見たうえで、就職先や将来性についてもお伝えします。
女性が鍼灸師になるメリット
近年、鍼灸師を目指す女性が増えている傾向が見られます。女性鍼灸師にはメリットが多くあり、以下のような効果が考えられます。
- 女性客への対応がしやすい
鍼灸は、マッサージ同様、直接身体に触れて施術を行います。女性の利用者のなかには、男性鍼灸師による施術に抵抗を持つ人もいるため、女性鍼灸師へのニーズが高いことが考えられます。同性同士であれば、利用者も不安を感じずに施術を受けられるでしょう。利用者の性別を問わず施術ができるという点では、男性よりも女性鍼灸師のほうが有利といえます。 - 女性特有の症状にも対応が可能
女性は生理や妊娠、出産などの影響を受けた特有の体調変化や症状があります。こうした不調は男性には理解しづらいこともあり、利用者としても男性鍼灸師に相談しにくいでしょう。女性の立場で気になる変化や症状を理解でき、気軽に相談してもらえるという点も女性鍼灸師の強みです。 - 美容分野など、活躍の場が広がる
鍼灸師の主な就職先として、鍼灸院があります。その対象は幅広く、一般向けのほか、スポーツに関連した治療を専門にするスポーツ鍼灸院、高齢者や障害者向けの鍼灸院などもあります。さらに近年では、「美容鍼」のニーズが高まっており、美容専門の鍼灸院も増えています。美容面においても、男性よりも女性の鍼灸師の需要が高まるでしょう。女性の立場を生かした活躍の場が広がっていることもメリットといえます。
美容鍼灸について詳しくは、「習得したい!「美容鍼灸師」になるための資格とは」をご覧ください。
- ライフステージに合わせた働き方ができる
医療系の国家資格である鍼灸師は、専門的な知識や技術が求められる仕事です。そのため、結婚や出産、育児のために、いったん職を離れたとしても、一般的な仕事に比べて復職しやすい傾向にあります。ライフステージに合わせた働き方ができる点もメリットです。
女性鍼灸師の就職先は?
前項で紹介したように、鍼灸師にはさまざまな就職先があります。ここでは、鍼灸師になる方法を簡単に説明したうえで、主な就職先を見ていきましょう。
鍼灸師になるには?
鍼灸師になるには、国家資格に合格する必要があります。鍼灸師は、治療用の鍼(はり)を用いて施術を行う「はり師」と、灸(きゅう)を用いて施術を行う「きゅう師」のふたつの資格から成っています。はり・きゅうを両方とも扱うにはふたつの資格が必須ですが、どちらかひとつだけでも仕事をすることは可能です。
どちらの資格も、養成施設として認定された大学や短大、専門学校で3年以上専門知識を学ぶと受験資格が与えられ、国家試験に合格すれば資格を得られます。
鍼灸師の資格取得についてより詳しくは、「鍼灸師になるための資格は必要?その道のりや国家試験について」をご覧ください。
女性鍼灸師の主な就職先
女性が活躍できる就職先として、以下のようなところが挙げられます。
- 美容鍼灸院
美容鍼灸院では、美容目的として肌トラブルのほか、血液循環の改善などを目的として施術を行います。主に女性向けであり、利用者も鍼灸師も基本的には女性だけの場合がほとんどです。鍼灸院ではなく、美容サロンに就職して施術を行う場合もあります。 - レディース鍼灸院
生理不順や更年期障害、妊娠前後の体調変化など、女性特有の症状を緩和させることを目的としている鍼灸院です。最近では不妊治療の一環として鍼灸を使うケースも見られます。 - 鍼灸院
老若男女、症状にかかわらず、来院した利用者に対して施術を行う一般的な鍼灸院も、女性鍼灸師の活躍の場となります。 - スポーツ鍼灸院
スポーツ選手の症状に特化した施術を行う鍼灸院です。プロ選手に限定している鍼灸院もありますが、一般的には、スポーツでケガをした人全般に幅広く対応しています。ケガの治療のほか、ケガの予防やコンディショニングの調整も行います。 - 高齢者向けの鍼灸院
特に高齢者を対象に施術を行う鍼灸院です。ケガの予防や自然治癒力の向上、症状の軽減などを目的とした施術を行います。
鍼灸師の就職先や仕事内容については、「鍼灸師の仕事内容とその魅力とは?適性や将来性を解説します」もご覧ください。
女性鍼灸師の将来性は?
一般的な鍼灸院以外でも多くの就職先がある女性鍼灸師ですが、将来的にも有望な仕事です。その理由としては次の点があげられます。
- スポーツ鍼灸や高齢者鍼灸でも女性鍼灸師の需要が高い
「女性が鍼灸師になるメリット」でも紹介したように、「男性に直接身体を触れられるのに抵抗がある」「女性特有の悩みを相談しづらい」といった利用者に対応できるため、今後も需要が高いことが考えられます。こうした要望は普遍的なものであり、将来的にも女性鍼灸師のニーズが減ることは考えにくいでしょう。 - 独立開業も目指せる
鍼灸師の資格は、独立して開業が可能です。美容鍼灸やレディー鍼灸などの、女性鍼灸師が活躍できる分野だけでなく、一般的な診療院でも女性利用者が増える可能性が考えられます。将来的な独立開業によって、仕事の幅を広げることもできるでしょう。 - 柔道整復師とのダブル資格取得で将来性はさらに高まる
薬を使わない施術として、鍼灸師は今後さらにニーズが高まることが考えられます。将来性をより確かなものにするために、複数の医療系資格を取得しておくのもよいでしょう。例えば、柔道整復師の資格があれば、女性アスリートのケガや不調にも対応できるようになり、治療家としての選択肢が広がります。
日本健康医療専門学校の卒業生で、実際に柔道整復師の資格取得後、施術の幅を広げるために、現在は鍼灸師の資格取得を目指している方もいます。
インタビュー記事については、以下をご覧ください。
「人を笑顔にしたい」手技と鍼灸の両方ができるトレーナーを夢みて【卒業生インタビューvol.1】
女性の立場を生かした鍼灸師に
女性鍼灸師は、女性特有の症状や、体調不良や肌トラブルなどに悩む女性の味方になれる存在です。男性鍼灸師でも治療はできますが、利用者のなかには、女性同士がよいので対応してほしいといったニーズもあります。ストレス過多になりがちな現代において、女性利用者の悩みを感じとって治療ができる女性鍼灸師は、今後も需要が高まることでしょう。医療系の資格取得を目指すなら、鍼灸師を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
日本健康医療専門学校は、鍼灸師になるための資格取得を目指せる医療系専門学校です。現在、鍼灸学科の男女比は6:4で男性が多いものの、少しずつではありますが女性比率が増加しています。鍼灸師を目指す女性は確実に増えているのです。当校は、女性でも就職後もすぐ活躍できるような授業カリキュラムや、卒業後の進路や就職についてのサポート体制も整っています。
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