美容
皆さま、こんにちは!日中美容研究家の濱田文恵です。今年の夏は、外出時のマスク着用が欠かせない夏になりそうですね。ただでさえ気温が高い夏なのに、さらにマスクを付けるので、多くの女性がマスク着用による化粧崩れに悩んでいると耳にします。そこで今回は、マスクの化粧崩れを防ぐためのスキンケアやベースメイクを伝授したいと思います。もちろん、体内からできる化粧崩れを防ぐ中医美容法も合わせてお伝えするので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.マスク着用で化粧崩れする原因
化粧をした顔の上からマスク着用をすれば、マスクと肌が接触し擦れるので、物理的に化粧崩れが起きます。さらに、気温や湿度の高い日本の夏では、マスク着用による化粧崩れの原因はそれだけではありません。
1-1 原因①過剰な皮脂分泌
私たちの肌は、外の乾燥やダメージから肌を守るために、「皮脂」という天然の油分を肌表面に分泌しています。適度な皮脂は肌の潤いやバリア機能に必要不可欠ですが、油分であることに変わりはありません。そのため、過剰になってしまうと、肌表面をベタベタさせてしまうだけでなく、化粧と混じることで、化粧崩れの原因となります。過剰な皮脂分泌には、肌の乾燥や黄体ホルモンによる影響、食生活やストレスなど多くの原因がありますが、それに加え、夏は気温の上昇による影響が大きく関わってきます。
実は皮脂分泌は、気温30度を境に皮膚温度が1度上がることで、皮脂の分泌も10%上がってしまうのです。夏のマスク着用による化粧崩れを防ぐためには、皮膚温度の上昇に注目して、過剰に分泌される皮脂をコントロールする必要があるというわけです。
1-2原因②体内温度の調整と大量の汗
夏は暑いので、ただ歩いているだけでも体温が上がり、大量の汗をかきますよね。大量に汗が流れでれば、せっかくの化粧も流されてしまい、化粧崩れの原因になります。
そもそも、皆さまは人間の体が汗を排出する理由を知っていますか?
私たち人間の体は、体内にこもった熱を、汗とともに体外に排出することで、体内の温度を調整しているのです。前述したように、夏は外の気温が上がるので、大量の汗をかきやすいわけですが、これにマスク着用が加われば、マスクによる体感温度の上昇だけでなく、マスク着用により呼吸がしづらくなります。
呼吸がしづらいということは、体内に取り込む酸素の量も減るので、体は一生懸命酸素を取り込もうとして働き、結果的に心拍数が上がります。
心拍数の上昇により体内の活動が激しくなれば、体内温度は益々上がり、さらに大量の汗が排出されるようになりますよね。排出された大量の汗は過剰に分泌された皮脂と共に、せっかくの化粧を崩してしまうのです。
2 化粧崩れを防ぐ方法
前述したように、過剰な皮脂分泌と大量の汗が出ることにより、例年の夏よりもずっと世の女性たちが化粧崩れに悩まされているわけですね。そこで、過剰な皮脂分泌と大量の汗による化粧崩れを防ぐ方法を伝授しますね。
2-1朝のスキンケアで過剰な皮脂分泌をコントロール
朝のスキンケアにひと手前加えるだけで、日中の過剰な皮脂分泌を和らげることができます。皮脂は肌温度と関係があるので、朝のスキンケアが一通り終わったら、最後に予め冷蔵庫で冷やしておいたパシャパシャタイプの化粧水と手持ちのコットンでパッティングを行いましょう。
コットンによるパッティングは、肌温度を下げることができるので、過剰な皮脂分泌を抑え、マスク着用による化粧崩れを防ぐためのスキンケアとして期待できますよ。
2-2 【中医美容法】心養生で大量の汗をコントロール
中医美容には、整体観念という考えが根底にあり、体内と体外はもちろんのこと、体の組織器官は全て繋がっているとされています。
そして、汗は「心」と繋がりがあるとされています。心は、"心主血脈"といって、体内を流れる血を管理する働きを持っています。血の大部分は津液(水分)によって構成されており、この津液が心の熱で温められ蒸発すると、汗となって体外に排出されるのです。つまり、汗の原料でもある津液は血と同源であり、その血を管理しているのが心なので、汗は心と繋がっているとされるわけです。1-2でご紹介した汗をかく理由に照らし合わせると、メカニズムは異なりますが、西洋も東洋も汗と心が関連していると考えていると言えますね。
そこで、大量の汗をコントロールには、心養生が不可欠。最も簡単にできる心養生としては、体内に熱がこもらないようにする心をサポートしてあげることですが、これは冷たい飲食物でただ体内を冷やせばいいのではなく、清熱作用に優れた食材を積極的に取るようにしましょう。例えば、夏が旬の野菜やフルーツ。ナス、トマト、胡瓜やスイカといった瓜系の食材は体の熱を鎮めてくれる働きがあります。
また汗が嫌だからと言って水分を取らないのはご法度。熱中症の原因にもなるので、水分は少量をこまめに摂り、回数自体を増やしましょう。
3 マスク着用でも化粧崩れ無し!ベースメイク方法
ここまでマスク着用による化粧崩れの原因と、原因に合わせた化粧崩れを防ぐ方法をご紹介してきました。とはいえ、マスク着用による化粧崩れは手強い存在なので、最後に化粧崩れに直接的に関係のあるベースメイクの方法を伝授したいと思います。
3-1 薄塗りを最優先に!多機能ファンデを使う
一般的なベースメイクでは、日焼け止め、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー(ハイライト等含む)、フェイスパウダーという順番で挙げたアイテムの中でも、最低で3アイテム以上は使いますよね。肌の凸凹や色ムラを補正して、少しでも美肌を作りたいという気持ちは分かりますが、アイテム数が多ければ多いほど厚塗りになり、厚塗りになればなるほど、化粧崩れを招いてしまいます。
マスク着用が必須の今年の夏は、出来るだけ薄塗りになるように、多機能ファンデを活用しましょう。多機能ファンデとは、UV機能が備わり、化粧下地とファンデーションの両機能を持ち合わせ、さらに肌に馴染ませていくと、さらっと変化し、パウダー要らずのファンデーションを指します。
「薄塗りでは気になる!」という肌トラブルの部分のみ、手持ちのパプなどでポンポンと重ね付けすればコンシーラーも必要ありません。
また多機能ファンデを塗ったら、最後にスポンジなどで余分なファンデ(油分)をオフしておくとより安心ですよ。各メーカーより発売されているので、ぜひお気に入りの多機能ファンデを見つけて見てくださいね。
3-2 ベースメイクの最後に!ミスト状のおしろいで固定
近ごろは、化粧崩れを防ぐためのミスト状のおしろいが発売されているのをご存知でしょうか?
薄塗りで仕上げた肌なら、いつもよりも化粧崩れしにくくなってはいますが、それでも長い時間、天気の暑い外にでる可能性がある日は、ベースメイクの最後にスプレーでしておくと良いでしょう。
特にマスクと触れる頬周りから顔の下半分にスプレーとしておけば、化粧をピタッと密着させてくれますよ。
いかがでしたか?マスクの着用が欠かせない夏とはいえ、化粧は女性の表情に笑顔を与えてくれるもの。「化粧をしても、どうせマスクで化粧崩れするからもういいや」と諦めするのではなく、こんな時だからこそ、メイクを楽しめる余裕を心に持ちましょう。
■著者プロフィール
日中美容研究家 濱田文恵
自身のニキビ肌をセルフ美容で克服した経緯を経て"キレイ" は自分でも作れることを啓蒙するため一般社団法人日本セルフ美容協会®を設立。毎日のセルフ美容に自身のルーツである東洋と西洋を組み合わせた独自の美養法を提唱する。著書『運命をこっそり変える』セブン&アイ出版。
国際中医薬膳師 / 医薬品登録販売者 /日本エステティック協会認定エステシャン / 日本毛髪科学協会認定毛髪診断士