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AO入試(総合型選抜)の自己PRの書き方とは?作成時のポイント・注意点を紹介

入試では、試験による学力面の確認だけでなく、受験生自身のやる気や熱意も評価されます。個々の強みや弱み、もっとも興味を持っていること、関心を寄せていることなどをどれだけ具体的にアピールできるかによって、評価が変わるでしょう。今回は、AO入試時に行う自己PRを成功させるために、必要な項目や、面接官に良い印象を与える自己PR作成のポイントについて解説します。

自己PRに記載する項目や書き方

まずは、入試時に自己PRが求められる理由と、自己PRを記載する際の一般的な項目や書き方を見てみましょう。

入試時に自己PRが求められる理由

入試に自己PRが求められる理由は大きく分けて3つあります。

  1. どれだけ自分のことを理解しているか?
    自己PRでは、客観的に自分を分析できているかどうかが見られます。自分のことをどれだけ理解できているのかを、相手に文章や言葉で表現できるスキルが求められます。
  2. 学校側が求める人物像にどれだけ適応しているか?
    学校側は、受験生の人柄や考え方を知り、その学校の求める人物像に合う人物なのかを確認したいと考えています。特にAO入試では、学校のアドミッションポリシーを把握しているか、本人の資質と合っているかどうかが自己PRから判断されます。
  3. 受験生の人間性
    アドミッションポリシーに適応しているかどうかと同時に、受験生の人間性が見られます。学力だけではわからない、個々の考え方や価値観が自己PRに表れます。

自己PRの一般的な項目・書き方

自己PRに書く内容に明確な決まりはありません。自分をアピールできるポイントをまとめればよいのです。しかし、どんな視点や題材を取り入れたらよいのか迷うかもしれません。自己PRに記載する一般的な項目として、以下のようなものがあります。

  • 学校を志望する理由
    なぜ、この学校に入りたいと思ったのか、その理由を記載します。なりたい職業や働き方など、将来の夢につなげると書きやすくなるでしょう。
  • 高校時代の部活動での実績
    高校時代に所属していた部活動の内容や、大会、発表会などの成果、またその成果を収めるために払った努力や取り組んだことについて記載します。
  • 検定や資格
    英語検定や漢字検定などの検定、簿記やパソコン関連の資格など、高校時代に取得した検定や資格を記載します。
  • 趣味・特技・興味のあることや関心ごと
    趣味や特技などは、その人の個性を表す項目です。相手に自分を知ってもらえるよう、わかりやすくまとめましょう。特に興味を持っていることがあると、そのことばかりを伝えたくなりますが、長くなりすぎたり、専門用語で詳しく書きすぎたりするのは避けましょう。ポイントを絞って、簡潔にまとめることが大切です。
  • 得意なこと、強み
    強みとなる部分は、重要なアピールポイントになります。しっかりと考えたうえで記載しましょう。「学校を志望する理由」や「部活動での取り組み」で記載した内容と強みがつながると、一貫性や具体性が出て、相手に自分という人間が伝わりやすくなります。
  • 性格や長所・短所
    自分の性格をどう思っているのか、長所や短所を簡単にまとめます。長所があまり思いつかないときは、家族や友人から客観的な意見を聞くのもよいでしょう。短所ばかりを書きすぎないように注意が必要です。また、たくさんあって選びきれないときは、一度全部書き出した後、ポイントを絞って抜き出してみましょう。
  • 高校時代にもっとも印象に残っていること
    高校時代にもっとも努力したことや楽しかったこと、苦手なことや短所を克服した経験なども、人柄や考え方を示すものです。特に印象に残っていることを、どんな気持ちになったかまでを含めてまとめましょう。

自己PR作成時のポイントと注意点

印象に残る自己PR文を作成するためには、いくつかのポイントがあります。覚えておきたい注意点をお伝えします。

学校のアドミッションポリシーをしっかりと理解する

受験を希望する学校がどのような教育方針を持ち、どういった人物を求めているのかを理解しておくことがとても大切です。何も考えずに自己PRを書いてしまうと、学校が求める人物像に合わないと判断されてしまうかもしれません。学校のアドミッションポリシーは必ず確認し、学校が来てほしいと思うような人物像になるようアピールポイントをまとめましょう。

ただし、学校に合わせようとして、本当の自分とは全く違う人物像をつくり上げてしまってはいけません。嘘をついてしまうと、入学したことを後悔することになるかもしれません。そうはいっても、希望する学校に入りたいと考えるのは当然のこと。まずは、受験する学校について詳しく調べ、そのうえで自分との接点を探してみましょう。例えば、「〇〇について、主体的に学ぶ意欲がある人」「社会に貢献したいという志を持つ人」といったアドミッションポリシーであれば、積極的に学びながら、どのような点で社会貢献ができるかを自分の視点でまとめます。同時に、自分がその学校に対して強い思いがあることも加えておきましょう。自分自身できちんと考えて、自分の意見としてまとめることが重要です。

できるだけ具体的なエピソードを盛り込む

性格や長所、短所を記載する際は、できるだけ具体的なエピソードを盛り込んだほうが伝わりやすく、人となりも理解されやすいものです。例えば、「長所は優しいところ」と記載しても、具体的なイメージが伝わりません。

例えば、「クラスで困っている人の話を聞き、一緒に解決策を考える機会が多くありました。また、部活動では裏方として選手をサポートしてきました。人に寄り添って問題を解決していけるところが長所です」と記載すれば、人間性や性格が伝わると同時に、自身を客観的に把握し、問題解決能力が優れた人間であるというアピールができるでしょう。

伝えたいことだけをシンプルにまとめる

具体的なエピソードを盛り込むことは大切ですが、長文になりすぎるのは好ましくありません。できるだけシンプルにポイントを絞ってまとめてみましょう。ただし、最初から短くまとめようとするのは難しいでしょう。まずは書きたいことを箇条書きしてすべて書き出し、いったん文章にまとめます。それから、無駄な部分を削るとよいでしょう。悩んだときは、学校の先生や家族に読んでもらい、意見を聞くのがおすすめです。

嘘や曖昧な表現はしない

自己PRで入学への熱意を伝えるには、正直な自分の気持ちを書く必要があります。先にもお伝えしたように、学校の求める人物像に合わせて嘘や曖昧な表現でまとめるのはよくありません。自分は完璧な人間であると強くアピールするよりも、欠点や短所を克服するための姿勢を伝えることで好感度は上がりやすくなります。

無理に独自性を出そうとしすぎない

ほかの学生が書かないような目立つPRを書けば、印象に残りやすいと思うかもしれません。しかし、面接官となる先生は、過去に多くの自己PR文を読んでおり、たいていのことには驚かないものです。目に留まることだけを考えるのではなく、正直に丁寧に自分の思いを伝えたほうが、真剣さや真摯な気持ちが伝わり、好印象を与えます。

自己PR作成OK例 NG例

では、実際にどのような自己PR文が良いのでしょうか。具体的なOK例NG例を紹介します。

受験する学校の求める人物像を把握する

先にもお伝えしたとおり、アドミッションポリシーを踏まえた自己PR にすることが大切です。

例えば「常に創造や変革に挑戦し続ける人」を求める学校を受験する場合

  • OK例:「新しいことに挑戦するのが大好きで、チャレンジ精神を忘れずに新たな取り組みを続けたいという強い信念を持っています」
  • NG例:「信念を曲げない強さがあります」

NG例では、がんこで誰の意見も聞かないような印象を与えるかもしれません。そこで、新しいことに挑戦し続けたいという信念があるといった内容にします。強い信念があることを伝えると同時に、学校の求める人物像にも合致する印象を与えるでしょう。

詳しいエピソードを添えて印象付ける

強みをアピールしようとしても、ありきたりな内容では面接官の印象に残りません。

  • OK例:「私は友人から、よく相談を持ちかけられます。その理由を聞いてみたところ「話をよく聞いてくれるから」「いつも明るく話しかけてくれるから」という答えが返ってきました。普段からできるだけ笑顔でいることを心がけ、最初にあいさつをきちんと交わすことが大切だと両親から教わり、実行しています」
  • NG例:「私はコミュニケーション能力が高く、たくさんの友達がいます。初対面の人ともすぐに友達になれます。いつも明るく接することができます。」

ありきたりなPRは、多少の具体性を出してもまだ、アピール力は弱いものです。より詳しいエピソードを添えてまとめてみましょう。例えば、「なぜ初対面の人ともすぐに友達になれるのか」「それほど仲良くない人から相談を持ちかけられたときに、どういった言葉をかけてあげるのか」などを書くのもよいでしょう。自分だけの特別なエピソードがあれば、印象に残る可能性が高まります。

資格取得までのエピソードや得られた体験を書く

資格や経験はアピール材料になりますが、ただ経歴だけが並んでいるだけでは、何をアピールしているのか見えません。

  • OK例:「2年生のときに、英語検定2級の資格を取得しました。特にリスニングを重視し、字幕なしで海外の映画やドラマを繰り返し見たことで、聞く力が向上しました。学んできた英語のスキルを生かし、学校では英語圏から来た留学生をサポートしています。生きた英語を学ぶことで、それまで消極的だった自分が積極的に行動できるようになり、多くの経験を得ることのすばらしさがわかりました」
  • NG例:「3年間英語クラブに所属し、英語検定2級を取得しました。3年生では部長を務めました」

単に資格や経歴を並べるのではなく、結果を出すために行ったエピソードや、この経歴を通してどのような強みや体験をアピールしたいのかをまとめてみましょう。英語の資格取得により、何が起こり、どんな結果につながったのかをアピールすれば、伝えたいことも明確になります。

NG例に共通しているのは、何を伝えたいのかが明確でないことです。表面的に事柄だけをアピールしても、本質が見えてきません。本当に伝えたいことは何か、自分らしさをアピールするにはどうすればよいのかを考えながら、自己PR文を作成してみましょう。

相手に伝わりやすい自分だけの自己PRを考えよう

入試において、自己PRは合格を左右する大切な要素です。良い印象を与えるために、ついつい大げさに書いてしまったり、長々と書いてしまったりしてしまうかもしれません。書きたいことがたくさんあるのは良いことですが、ポイントを絞って正直にまとめることが大切です。

AO入試での自己PRは、アドミッションポリシーも含め学校のことを徹底的に調べたうえで、何度も読み返して修正し、シンプルで伝わりやすい内容を目指しましょう。自分の伝えたい気持ちを考え抜くことで、良い自己PR文を作成できるのです。